サミュエルガーウィズが限定版として出している四季シリーズの一つ。パッケージは夏っぽい謎の森

開封すると臭いは酸味を含んだ紅茶系の香り。比較的はっきりしていて棘がある様にも感じられ、熟成年数の浅い洋酒に似た印象がある。

早速詰めてみる。厳密に計測はしていないが、何となく薄い印象を持たされる。フレークにしては纏まりが甘く、最初から崩れている物もあるためそう感じるのかもしれない。

形状が不安定な事に伴い、ボウルの大きさによっては1枚で少し物足りない量となるかもしれない。

火付、火持ちはお世辞にも良いとは言えない。よく解して詰めるほうが良いだろう。

第一印象は紙巻き煙草のような香り。ピースなどのヴァージニア系の葉を使ったちょっといい煙草と言った具合だろうか。サミュエルと言えばイングリッシュ中のイングリッシュ、キングオブイングリッシュと言っていいくらい伝統的なブレンドの煙草の多い会社だけに一寸拍子抜けしてしまう。かなり軽めの香りでそれこそ煙を相手に組み手を取っているような手応えのなさを感じる。注意深いドローコントロールで微かにヴァージニアの甘さが姿を現す。が、それもかなりアッサリ目で深みが無い。重たいと思って持ち上げた荷物が予想外の軽さだったような感じで兎に角軽くて中身がない。雑味もそれなりにあり、これがピースのような紙巻き煙草感を出している。

ツゲのカタログによると「バージニアとペリクをシェリー樽で長時間熟成させた葉が原料。再度圧縮加熱し、板状にしたものをフレイク状にした。熟成感ある香喫味は上質なパイプ喫煙を約束」とあるが、この触れ込みに対して軽い印象が強すぎる。

本を読んだり、料理を作ったり、テレビを見たりと、所謂「ながらタバコ」向けなのではないか、と思ったが、フレイクらしいコントロールの難しさは健在なので実際のところはドッシリと腰を落ち着けての喫煙が必要となり、温度管理が雑になるとイングリッシュらしい雑味が出てくるので立ち位置が微妙であるように感じる。

最終的感想としては「どこまで行ってもピース。メーカー的にはアッサリ夏イメージ、なんだろうけど、私には会わない」と言ったところ。

先日採用された５点満点の採点方式で言うと１.5点と言ったところだろうか。決して万人にオススメできない、とまでは言わないが、晩酌のお供にパイプを吸う私には合わなかった。まさかサミュエルの煙草でここまで大外れがあるとは思わなかったのでそういった発見を得られたという意味では良かったのかもしれないが…。

(会員O)